昔話

わたモテを読んでふと昔を思い出す。

自分の高校時代は帰宅部の冴えない高校生であり、「絶望の世界」を読み他の学生とは違うんだぜ…と悦に浸りつつその実ただのアニメ好きな底辺クソ高校生だったので、当然スクールカーストの最下層だった。確かに他の学生とは違うんだぜ…。

 

そんな中修学旅行があり、グループ分けは勿論底辺グループだったけど、何故かスクールカースト上位のイケメンに気に入られて二人部屋の相手がその子になったことがある。

二人で将棋をした記憶はあるけど、何を話したかはすっかり忘れているし、卒業後は完全に関係性は途切れて疎遠になったけど、楽しかったしウキウキしたのはうっすら覚えている。

 

途中で彼は彼女に会いに部屋を抜け出したので、そのために自分と二人部屋になったのかなあとも思うけど、思ったより早めに帰ってきてくれたのでそれだけでもなく、今考えると修学旅行のうっちーのように肩の力を抜く時間が欲しかったのかな。

 

スクールカースト上位もやっぱり大変だったんだろう。

結局のところスクールカーストの位置に関係なく、自分の場所を守るため学校という閉ざされた小さな世界で立ち振る舞うしかない。

そしてそれは卒業後十数年経った今でも変わらない部分がある。

 

打開するためにがむしゃらに、時には明後日の方向に行動を起こし続けるもこっちを見守るのはだからこそやっぱり楽しいし、愛しいし、自分も頑張らなきゃなあと改めて思わされる、わたモテの魅力はそんな所にもあると思うのだ。

 

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い 喪139

加藤さん回があると決まってから期待が高まると同時に、最後に持って来たことで期待に比例する不安。

まだ内面の描写不足ながらも明らかな人気キャラクターだからこそ、単体で加藤さんをちゃんと描くのか、別のキャラクターも出してきて加藤さん回を濁したりしないか。そしてもこっちが嫌な思いをする展開になったりはしないのか。

期待と不安を織り交ぜながら配信当日を迎え、読み進めると案の定雌猫グループが。谷川先生も流石に守りに入ってうっちーのギャグ回にするかー、と頭によぎるもまったくそんなことはなく、谷川先生は予想を裏切り期待に応える漫画家先生でした。

 

中学時代の加藤さん、もこっちに気を使われていることに寂しさを覚える加藤さん、謎のカミングアウトをされても引かない加藤さん、ペ○スと言う派の加藤さん。

こんなにいろんな加藤さんを描写して、かつ魅力を倍増させる谷川先生は流石やでぇ…。

 

岡田さんとネモを仲直りさせたことで、加藤さんもこっちのこと勘違いしてるだけ説を吹き飛ばしたのも素晴らしい。

スクールカースト頂点の加藤さんが、エロゲーの画面を見せて仲直りさせたという行為を受け入れるのは今日のを読むまであまりにも出来過ぎで無理があると思っていたけど、ち○ちんのことペ○スって言う派の描写を混ぜると、性に対する意識が独特な人という印象になるのでそれすら許容する聖母マリアと言うのも納得できる。違和感を持たせないための丁寧な描写をギャグで笑える形にして混ぜてくるってマジで谷川先生凄すぎない?

 

そして絶対に加藤さんに対しては良い格好をしたいもこっちが、誠実に接したいからこそカミングアウトをしたというのも尊い。そういうことを考えられるようになったもこっちの成長が、最初から読んでいる人間にとっては感動なんですよ。それすらも面白の形で、ギャグの形で描ききってしまう。

 

こんなに完璧な漫画はもっと人気が出るべきだから、世界の片隅で褒めちぎる文章を記し続けるのです。

でも問題はわたモテが良すぎて、気持ち悪い感じになってしまう。申し訳ねえ…。

アニメ2期、クラウドファンディングで良いから企画してくれないかなあ。

 

 

魔女と百騎兵Revival

魔女と百騎兵Revival、11章トゥルーエンドまでクリア。

このゲームを始めた時にまず引っかかったのが、伏せ字の表現だった。汚い言葉は伏せ字になり自主規制の音が入る。

これの何が嫌だって、表現の逃げだからだ。想像に委ねると言えば聞こえは良いけど、それは適切な言葉を選ぶことから逃げている。更に言うなら、この演出があることで『本当に不快にさせる可能性のある表現は避けるゲーム』とも言える。

 

これがある種、メタ的な伏線として作用させられたのがトゥルーエンド(バッドエンド)だった。

 

優しそうな魔女をネズミにして雄のネズミに襲われるという演出はあったけど、それはあくまで未遂に終わるであろうという演出でしかなかった。

それがトゥルーエンドでは、醜悪な怪物がビスコ相手に王族の血を残そうとし、大きさが違いすぎて壊れてしまったという説明が入る。

 

めっちゃ不快で直接的な表現してくるやんけ!胸糞悪い!!!

 

これが狙ってなのかはわからないけど、ここまでガツンと嫌な気持ちにさせられたのは久しぶり。いや本当に不快でしたよ。平和なエピローグがありそうな雰囲気から、前述の思い込みがある中ここまで表現仕切るなんて。

こんなのバッドエンド(トゥルーエンド?)までやるしかないじゃないですか。許されねえわ。もはや睡眠時間を削って行くしか。

 

魔女と百騎兵 Revival 通常版 - PS4
 

 

 

 

 

魔女と百騎兵Revival

魔女と百騎兵Revivalをプレイ中。

日本一ソフトは対象年齢中高生向きというイメージが根拠もなくあったので目に止まっていなかったけど、評判が妙に良いことと割引中だったのでダウンロード購入。

他のよくわからないけど評判が妙に良いゲームは、レイジングループやシルバー事件俺たちに翼はないPORTALやUNDERTAILあたり。合う人にとっては100万点ゲー。俺つば風なら7兆点。

妙に評判が良いゲーは、無闇に評判が良いゲーよりも胸に残るの法則。

 

魔女と百騎兵も序盤はパンチが効いてて引き込まれやすいものの壁がなかったと言えば嘘になる。それでも登場人物の魅力に段々と、特に6章7章ですっかりと引き込まれた。

や~な感じの魔女が出て、メタリカ様が大暴れをするだけでも今の所は面白い。そこからの7章ブリダンゴ虫編良かったなあ。基本的に含みのあるストーリーは好きだけど、最後のブリダンゴ虫と王子様のシーンが凄く良かった。

変わるもの変わらぬもの、変わらなきゃならないもの。短いシーンだったけど、それが全て凝縮された名場面。おもしろー。

 

たぶん、まだまだ中盤。評判妙に良いゲーの本領はこらからなのだろう。楽しみです。

 

魔女と百騎兵 Revival 通常版 - PS4
 

 

 

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い 喪138

先週のゆりちゃん回でハードルが上がり、今週のネモ回どうなるんだろうと少し心配していたけど杞憂も杞憂、谷川ニコ先生はいつも予想を裏切り期待は裏切らないでいてくれる。

 

最初の待ち合わせはナイトメアクリスマスを彷彿とさせる構図だったけど、当時クラスのみんなを待っていた二人が、今では他でもないもこっちを待っていたという事実が尊い…。ずっともこっちを見守っていた読者にとっては、それだけで感無量だ。

 

そしてネモ回でもあり、あーちゃん回でもある今作。あーちゃんドン引き選手権を開催するネモの闇にこっちがドン引きするものの、そのネモをドン引きさせるもこっちに数々の修羅場をくぐり抜けた本物の凄みがあった。というかネモ自体実はエロゲはリトバスをやった程度で、「あれ、この子別に闇深くなくない?」「Sっぽさ見せるけど守りに入ると脆くない?」「可愛い…」と、ネモにドン引きどころか結果的に好感度マシマシ。全ては谷川先生の手のひらの上。

ウネウネ動く電動バ○ブに幼児退行していくあーちゃんの可愛さも筆舌に尽くし難い。モブキャラ感が否めなかったあーちゃんをここまで魅力的で可愛いキャラにしてしまうなんて。最後電車の中で疲れて眠るあーちゃんがどんな夢を見ていたのか。想像すると胸やいろんな所が熱くなる。全ては谷川先生(略

 

もう一つ触れて置きたいのは喫煙しているゆりちゃん吉田さんもこっちの想像図だ。

人気投票一位の女の子が喫煙している姿を書くのは攻めの姿勢を崩さないこの漫画らしくて良いけど(しかも異様に似合う)、それ以上にもこっちが想像する大学生活の隣にその二人がいるという事実を見過ごすわけにはいかない。

以前ならば横にはコオロギとゆうちゃんがいるであろう想像図だったポジションに、当たり前のように吉田さんとゆりちゃんがいるのは、もこっちの人間関係と内面の大きな変化を、ギャグ描写の形でさりげなく示唆している。凄いよ谷川先生ェ…。

 

最初から最後まで、尊さに満ち満ちていた今回。もこっちを見守り続けて来て良かったと、強く思わされた。

 

しかしハードルを軽々越えてきたからこそ、次回のスクールカースト絶対王者にして読者にとってのピープルズチャンピオンでありランカートップのビッグマザーこと加藤さん回のハードルが更に上がってしまったのが痛し痒しと言ったところか。

谷川"選ばれしものの恍惚と不安を共に我あり"ニコ先生が、次回どのようにこのハードルを越えるのか、あるいはくぐり抜けるのか、当時FF7が発売される前以来の期待感を胸に秘め、3週間ウキウキしながら待ちたいと思う。

 

 

 

The Sexy Brutale

The Sexy Brutale(セクシー・ブルテイル)トロコン。

ソニーのサマーセールを見ていたら、セクシーと言う響きにいやらしいものを感じて目についた。なんとなく雰囲気が良さそうで評判も良かったからプレイ。いやらしさはまるでないやんけ!

 

そんな出会いだったけど、やってみると見事な海外産の良ゲーでした。トロコンのこだわりは全くないので、単純にハマってしまってやりたくてコンプリート。これは簡単なやつだけど。

 

使用人がいろいろな方法でゲストを殺すのを回避させて行く覗き見ゲーム。ラブデリック好きにはmoonやUFOやエンドネシアチュウリップのようなゲーム(特にUFOかなあ)と言えばわかる。つまりはラブデリックっぽい。ほのかに。

あくまでそういうエッセンスがあるというだけではあるけれど、音楽、グラフィックセンスの良さもラブデリックを思い出す材料だった。特に音楽は多様な種類の曲を場面や長さを合わせて流れていて大変素晴らしかったです。耳に残る良BGM。

 

途中違和感があったのは、殺されるのを回避していくのに結局次の人を救うターンになると救ったはずの人はまた最初と同じように殺されている。勿論これはきっちりと理由をつけて説明してくれます。

このゲームは断罪でもあり、贖罪でもあり、何より救済のストーリーだった。何とも厳しくて、少し怖い部分もあって、優しさもある。

そこまでの大罪を犯したことはないけど、昔しでかしてしまったことが未だにフラッシュバックしてうわあああってなる人間にとっては神ゲーでした。そろそろ幸せになっても良いのかもしれない。そういう人たちみんな。

 

ちなみにAmazon輸入盤のリンクは貼っておくけど、DL販売で購入したほうが多分得。

前述した通り、ソニーはサマーセール中でお得ですよ。

 

The Sexy Brutale: Full House Edition (PS4) (輸入版)

The Sexy Brutale: Full House Edition (PS4) (輸入版)

 

 

悲終伝

6年に渡る長期シリーズも悲終伝で完了。

読んでるだけでも西尾維新の筆が乗りすぎてどこまでも曲がりくねって紆余曲折しているのがわかるシリーズ。

思い返すと地球との戦争成分は長々続いた中で微々たるものだった。ほとんどは空々くんを中心とした成長変化の物語。そういう意味でもはこれもジュブナイル

 

そんな空々くんが地球さん良い人説という突飛とも言える詭弁を話していたが、悲鳴伝で人間の子供にしか見えない地球陣を人間側が虐殺していたシーンを思い出すと善悪の無意味さを説いた発言でもあり、つまりは「戦争に勝者なんていない。敗者と死者がいるだけだ」ということなのだろう。

なんだかよくわからないけど、なんだかよくわからないシリーズだったから良いじゃないか。

 

地濃という濃度100%のキャラクターを生み出せたのだから良シリーズだった。

ラストはみんな少し幸せになり、みんな少し不自由になった、綺麗な不思議なおとぎ話でした。

 

悲終伝 (講談社ノベルス)

悲終伝 (講談社ノベルス)