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僕だけがいない街 9巻

もともと「僕だけがいない街」はSFサスペンスといった内容。練り込まれたストーリーは勿論(8巻でスパッと終わらせた所もお見事!)、個性的ながら上手な絵も特徴的な漫画で、大好きな漫画だった。

というか、この絵何処かで見たことあるなーと思ってたら「菜々子さん的な日常」の作者だと知って驚いたものだ。和やかでいて露骨にエロいながら妙に面白く、現実に体験してないことしか起きてないと思うのに、何故かノスタルジーを感じてしまう不思議な漫画だった。更に言うなら超エロいのにエロくない。

要は何かよくわからないが

面白い漫画だったというわけだけど、まさかその後あそこまで面白い漫画(僕だけがいない街)を描くようになるとは夢にも思わなかった。

 

そしてその完結した「僕だけがいない街」のスピンオフである9巻。相変わらず後書きが「非日常的な日常」だったり、副題がReだったり、わかる人にはわかる菜々子さん要素もなかなか心憎いぜ。

 

スピンオフは蛇足になりがちなものだけど、今作は全くそんなことはなく、作品としてしっかりと成り立っているし短編集としての完成度も高い。最終話は少しいらなかった気もするけど、最後は未来に向かわないと行けないのであれでも良い。苦労と希望が混在する登場人物がラストを締めるのは正しい。

 

母子愛、友情、大人による子供への思いやり、そして人間の強さ、全てが綺麗に描けていた。

描かれている時期を考えると、失った者への後悔や贖罪という、重くて纏わりつくようなテーマになりそうなものなのに全くそういう事がなく、明るく、それでいて共感出来る、尊敬出来る(登場人物が全員格好良くて嫌味がないって凄いこと)描き方をしたのは間違いなく三部先生の力量がなせる技だと思うのだ。

 

読んで良かった。

僕だけがいない街を好きな人は、9巻、絶対に読んだほうが良いですよ。

僕だけがいない街を読んだことない人は、最初から、絶対に読んでみたほうが良いです。