悲終伝

6年に渡る長期シリーズも悲終伝で完了。

読んでるだけでも西尾維新の筆が乗りすぎてどこまでも曲がりくねって紆余曲折しているのがわかるシリーズ。

思い返すと地球との戦争成分は長々続いた中で微々たるものだった。ほとんどは空々くんを中心とした成長変化の物語。そういう意味でもはこれもジュブナイル

 

そんな空々くんが地球さん良い人説という突飛とも言える詭弁を話していたが、悲鳴伝で人間の子供にしか見えない地球陣を人間側が虐殺していたシーンを思い出すと善悪の無意味さを説いた発言でもあり、つまりは「戦争に勝者なんていない。敗者と死者がいるだけだ」ということなのだろう。

なんだかよくわからないけど、なんだかよくわからないシリーズだったから良いじゃないか。

 

地濃という濃度100%のキャラクターを生み出せたのだから良シリーズだった。

ラストはみんな少し幸せになり、みんな少し不自由になった、綺麗な不思議なおとぎ話でした。

 

悲終伝 (講談社ノベルス)

悲終伝 (講談社ノベルス)