終電

数年前、コロナ騒ぎなんて夢にも思わなかったある日の夜、仕事に疲れ終電に揺られながら録音していた深夜ラジオを聞いていると、隣に座ったおじさんが何かを話しかけて来た。

 

おじさん「〜〜〜」

 

やばい、音漏れしてるのかも。

だとしたら深夜ラジオを聞いていることがバレてるということ?恥ずかしいよう。ドキドキしながらすっとイヤホンを取る。

おじさんはイヤホンなんて意に介さず語りかける。

 

おじさん「君は起業しなさい」

 

ぼく『…はい』

 

酔っ払いおじさんはその後も何かを話しかけて来ていたようだけど、伊集院光のラジオを再び聞き始めたので何て言っていたかはもう迷宮入りだ。

一つ言えることは、酔っ払いおじさんとの約束は未だ果たせていないし、今の所果たす予定はない。