読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

結物語(ネタバレ)

西尾維新

結物語ネタバレ感想。

 

23歳の阿良々木くん。

2006年に化物語が発売されて、はや11年。ついに大人になった彼ら描いた一冊。

まさしくスピンオフ(こちら直江津市浪白公園前派出所?)らしくみんなが一人ひとり頑張って未来を生きる姿を描きつつも、読者の想像の斜め上でおそらくみんなが印象に残ったのは羽川さん。

新しい宗教が生まれかねないくらい超越した存在になっていた。

 

結局阿良々木くんの家に来たのは本人なのか、コピーキャット(影武者)なのかはわからないけど、「何でもは知らない。知ってることだけ」の羽川さんは、阿良々木くんが最終的にどう考えるかまで予測していたと思う。

阿良々木くんのことは誰よりも「知っている」のだから。

 

読みながら『羽川さんがそんなこと言うか?』という違和感があったし、猫物語で告白したのに「高校生の頃、阿良々木くんのことが好きだったんだよ。気付いてなかったでしょ?」という発言に齟齬を感じていたけど、阿良々木くんがあの結論に達するために言っていた(言わせていた)だけなのではないか。

 

他に大切なことがあっても、阿良々木くんのことも大切に思わないわけはないので(コピーキャットだったとしても明らかな特別扱いだ)日本に来た目的は過去を消すためだけではなく、結果的に阿良々木くんが、「今の僕が今の羽川にとってどうでもいい男で、今の僕は最高に幸せだ。」と感じさせるためでもあったはず。ある意味では阿良々木くんのために帰ってきたというのも間違いではない。

 

そう考えたら、なんとなく空っぽの箱を送ってきたという表現に冷たさを最初は感じたけど、実のところは暖かい、羽川さんらしい優しさに満ちた話だったと思うのだ。

そしてそこまで考えた上でもう一度コピーキャットだったか否かを考えてみると、そこまで予測した上で本人が来たんじゃないかなと思うよ。

 

自分のパンツを回収してこいなんて命令は、人に出さないでしょう?

 

結物語 (講談社BOX)

結物語 (講談社BOX)